顎関節症

顎関節症

顎を動かすとカクカク音が鳴る・口が大きく開かない・顎を動かすと痛いといったことが、典型的な症状です。
「顎関節症」という病名はマスメディアにも良く取り上げられていますから、ご存じの方も多いのではないでしょうか?定義としては「顎の関節や顎を動かす筋肉の痛み・関節を動かしたときの雑音・開口障害や顎の動きの異常などを主な症状とする慢性疾患群の総括的診断名」となります。「総括的診断名」とは、症状をざっくりとまとめた病気の概念を表すもので、「風邪」がそれにあたります。

顎関節症の特徴としては

珍しい疾患ではない
疫学調査によると、人口の約75%は少なくとも1つ以上の他覚症状(関節雑音・開口制限など)を有していて、約33%は少なくとも1つ以上の自覚症状(違和感・痛みなど)を有しているという報告があります。つまり、特別でも珍しい病気でもなく、ほとんどの人に起きてしまうとも言えます。
多病因性の疾患である
1つの原因で生じるのではなく、色々な要因が絡み合って症状が発現すると言われています。歯ぎしりやくいしばり・歯列不正・顎の形態異常・頬杖などの悪習癖・ストレスによる過緊張・うつ病などの精神的要因。これらが積み重なり、個人の生体許容出来る範囲を超えてしまったときに、顎関節症が発症します。
「self-limited」な疾患である
「self-limited」=「治療を受けなくても、長期的な時間の経過と共に症状が和らいだり・おさまる性質がある」という意味です。ふとしたきっかけで顎の痛み・口を開けれないという症状が出たとしても、しばらく安静にして顎に負担をかけないようにすると、ほとんどの場合は改善していきます。
完治はしない疾患である
現時点では、顎関節症を完全に治すことは出来ません。それは②で述べたように、色々な原因が絡んでいるため、根本的な対応が難しいからです。また顎関節の形態変化が生じている場合、いくら治療しても元の状態に戻すことも不可能です。
じゃあ顎関節症は治療しなくても良いのでは?と思われる方も多いことと思います。
しかし、症状が何ヶ月も続く場合は、治療することにより出来るだけ早く症状を緩和させることが必要です。 また数日で症状が消えても繰り返し再発する場合は、顎関節の形態変化が進む前に悪影響を及ぼしている原因を調べて対応することが求められます。
顎関節症は慢性の疾患ですから、一生お付き合いしていく場合もあり得ます。ずっと症状に悩まされるという訳ではなく、症状が再発しないように悪化しないように日々メンテナンスをしてコントロールしていくことがポイントとなります。
例外として「顎を動かすとカクカク・ジャリジャリ音が鳴る」という関節雑音しか症状がない場合は、治療の対象外となります。関節雑音は悪化すること無く経過すること・関節雑音を消す為に治療しても再発してしまうことが、今までの研究成果として分かっているからです。

顎関節症のイメージ

顎関節症のイメー

正常な場合

正常な場合の図

口を開けるときは下顎頭がまず回転し、次に関節円板と一緒に下顎窩から前に移動します。閉じるときは、下顎頭が関節円板と一緒に後へ移動し、下顎窩の中に収まります。

音がする状態

音がする状態の図

関節円板がずれて下顎頭にひっかかり、関節円板が下顎頭に載るときに音がでます。

口が開かない状態

口が開かない状態の図

ずれた関節円板と下顎頭の引っかかりが強くなると、関節円板が下顎頭に載ることができずに障害物となって下顎頭が前に動きにくくなり、口が少ししか開かなくなります。

顎関節症の治療法

スプリント療法
各患者様専用に型取りをした、着脱可能なマウスピースのことをスプリントといいます。顎関節や周囲筋肉の安静、歯ぎしりやくいしばりによる強い力の遮断、噛み合わせの安定化を目的として使って頂きます。最も効果がある治療法です。
薬物療法
関節痛や筋肉痛に対しては消炎鎮痛剤を投与します。痛みが緩和し口を開けれるようになれば、スプリントの型取りに移行します。
咬合療法
噛み合わせだけを良くしても確実に顎関節症が治る保証はありません。
ですが、ご飯が食べにくい・見た目が気になる・歯周病が進行しているなどの悩みを抱えていて、全体的な治療が求められる場合は理想的な噛み合わせへの改善を図ります。
ホームケアの指導
筋肉へのマッサージ・悪習癖の除去・日常生活での注意・歯ぎしりやくいしばりを緩和させる自己暗示療法など、ご自身で顎関節症が再発しないようにコントロール出来るようなケア方法をご指導します。
定期検診
症状が落ち着いてからも、状態に応じて1ヶ月〜3ヶ月おきのメンテナンスをオススメしています。
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