院長ブログ

院長 三浦 陽平

2025年 05月 03日

忙しい方に睡眠無痛治療をお勧めします!

睡眠無痛治療とは?

正式な名称は『静脈内鎮静法』と呼ばれています。
文字通り、静脈内に鎮静剤を点滴に投与し、患者様を眠らせることで、治療中の痛みと恐怖心をゼロにする方法です。

睡眠無痛治療中の状態は?

意識は薄れるものの、完全に眠っている訳ではなく、治療中の声かけには応じれるくらいの意識レベルを保っています。

睡眠無痛治療後の状態は?

治療中の記憶はほぼ無く、何をされたのか忘れてしまいます。

睡眠無痛治療のメリット

・治療中の痛みや恐怖心を感じないこと
・治療中の出来事はほぼ忘れてしまうこと
・寝ている間に、一気に治療を進めることができること
・生体モニターで麻酔専門医が患者様の容態を常にチェックしているため、不測の事態が起きないこと

睡眠無痛治療のデメリット

・健康保険が適応されず、1回あたり88,000円(税込)の費用が発生すること
・治療終了後に、車や自転車の使用を控えなくてはいけないこと
・当院の麻酔専門医とのスケジュール調整が必要なこと
・全身麻酔よりもリスクは少ないものの、治療後に気持ちが悪くなる可能性があること

睡眠無痛治療の対象となる方

・歯の治療がとにかく苦手な方
・忙しくて、寝ている間の3時間で一気に治療を進めたい方
・治療後の痛みと腫れを最小限にしたい方
・歯がボロボロで困っている方
・嘔吐反射がある方

睡眠無痛治療の担当医をご紹介します

睡眠無痛治療中の全身管理を担当してくれるのは、『中島慶次』先生。
北海道大学歯学部で私の1期後輩であり、同じ硬式テニス部に所属していました。
北大の学生時代、テニスの練習後にほぼ毎日飲んでいたのは、懐かしい思い出です。
北大生は、みんな大学の近くに住んでいるので、私と中島先生の家の距離は、わずか50メートルしか離れてなく、行動範囲も同じでした。
北大を卒業した後に、東大に進学し博士号を取得した、とても優秀な先生です。
信頼する中島先生に静脈内鎮静法をお願いすることで、私は歯の治療に集中できます。
『短期集中治療』をご希望の方にも、睡眠無痛治療をお勧めいたします。

睡眠無痛治療を併用したインプラント短期集中治療例

年齢・性別

50代・男性

来院動機

右下の奥歯にインプラントを入れたい。
海外に駐在しているので、日本に帰国する短い期間で、インプラント治療を終わらせて欲しい。
また、静脈内鎮静法で眠っている間に、他の治療も一気に治療を進めて欲しい。

初診時の口腔内写真

入れ歯も使っていたようですが、右側では全く食べることができなかったようです。

治療計画

普段はお仕事のため海外にお住まいの患者様でした。
3ヶ月に1回は日本に戻ってくると伺ったため、睡眠無痛治療を併用した短期集中治療を計画しました。
①初診精密検査・CT撮影・診断・お見積もり作成
②インプラント3本埋入 全顎歯周病治療 を静脈内鎮静法で眠っているうちに行う。
インプラントオペから3ヶ月後の日本滞在時に
③上部構造(セラミック歯)の型取り
④上部構造(セラミック歯)のセット
合計4回で全てのインプラント治療と歯周病治療が完了する計画を、患者様にご提案しました。

オペ中の口腔内写真とCT写真

抜糸の来院ができないため、切らない縫わない「フラップレスインプラント」で処置しました。
直径2ミリのバーで小さい穴を3箇所あけます。
直径2ミリのピンを挿入します。
CT写真を撮影して、インプラントを埋め込む位置に狂いがないかを確認します。
全身麻酔と異なり、静脈内鎮静法はオペ中にCTを撮影できることが大きなメリットです。
中島先生の技術で意図的に、鎮静レベルを浅くすることで、CT撮影が可能となります。
徐々に太いバーで顎骨を削っていき、インプラントを埋入します。
なお、腫れと痛みを最小限にするために、「ショートインプラント」を使用しました。
ショートインプラントは文字通り短いので、顎骨を削る量を少なくできます。
インプラント埋入後のCT写真。
想定通りの位置に3本のインプラントが埋め込まれています。
歯茎を回復させるためのパーツをセットしてオペ終了となります。
ここまでかかった時間は、約1時間。
残りの1時間で、全ての歯の歯周病治療も行いました。

治療後のレントゲン写真

オペから3ヶ月半後に、上部構造(セラミック歯)がセットされました。

治療後の口腔内写真

なんでもしっかり噛めるような奥歯が再建されました。
日本に滞在している短い期間で、トラブルなく治療が完了し、患者様にはとても喜んで頂けました。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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