歯根破折と歯根嚢胞をインプラントとセラミックブリッジで治した審美歯科症例

みなさんこんにちは。
藤沢市鵠沼海岸にある歯医者、医療法人社団 くげぬま海岸歯科クリニックです。

歯根破折とは？

歯根破折とは、歯の根の部分（歯根）が割れたりヒビが入っている状態を指します。

歯根破折の原因

歯根破折は、外傷（事故やスポーツ中の強い衝撃）、強い噛む力（歯ぎしりや食いしばり）、神経を取る治療などで歯が弱くなっていること、などが原因で起こります。
特に神経を失った歯（根管治療が施された歯）に保険適応の差し歯が長年入っている場合は、硬い金属に負けてしまい、ご自分の歯根が割れる事象が生じます。

歯根破折の症状

・噛むと痛い。
・違和感がある。
・疲れると歯茎が腫れる。
などが典型的な症状ですが、無症状のまま経過することもあります。

歯根破折の治療

浅いところで割れている場合は、歯を温存できることもあります。
外傷での歯根破折は浅いところで割れることが多いと言われています。
神経を取ってしまい長年経過した歯根は、深いところで破折することが多いため、抜歯が必要になることがほとんどです。
抜歯した後は、インプラントかブリッジか入れ歯での修復を行う必要があります。

歯根嚢胞とは？

歯根嚢胞（しこんのうほう）とは、歯根の先端にできる袋上の病巣で、膿が溜まっています。

歯根嚢胞の原因

虫歯や外傷によって歯の神経が感染し、歯根の先端にまで炎症が広がると、根尖性歯周炎という状態になります。
根尖性歯周炎が慢性化すると、歯根嚢胞が形成されます。

歯根嚢胞の症状

初期は無症状の場合が多いです。
嚢胞が大きくなると、歯茎の腫れと痛み、噛み合わせの違和感、などの症状が生じると教科書的には言われています。
ただ、私の経験としては、歯根嚢胞がかなり大きくなっても、無症状の患者様しか見たことがありません。
嚢胞が極めて大きく成長し隣の歯にまで波及するレベルの大きさになって、やっと自覚症状が出てくるイメージでしょうか。

歯根嚢胞の治療

①根管治療
歯根の中をキレイにして無菌化することで、嚢胞を小さくすることを目的として行います。
②嚢胞摘出術
最も現実的な治療方法です。
根管治療→嚢胞を小さくする→嚢胞摘出術、という流れで行われることが多いです。
嚢胞があまりに大きい場合は隣の歯を守るために、戦略的に抜歯を併用することもあります。
③開窓術
嚢胞の壁の一部を切開し、内容液を排出して圧力を下げます。
これにより、嚢胞が小さくなることを狙います。
嚢胞が神経に近いケースでは、非常に有効な手法です。
しかし、感染リスクと、経過観察の期間が長くなる欠点があります。

歯根破折と歯根嚢胞をインプラントとセラミックブリッジで治した審美歯科症例

初診時口腔内写真

初診時レントゲン写真

治療計画

左側の歯根破折している前歯は、インプラント治療で対応することになりました。
問題は歯根嚢胞が存在する右側の前歯です。
まずプロトコールに従い、根管治療を行い、嚢胞の縮小化を図り、最後に嚢胞摘出を行う計画を立てました。
古い差し歯を外し、顕微鏡で根管の中を覗いたところ、この歯にもヒビが入っていることが明らかになりました。
ヒビに沿って細菌が侵入し、炎症が慢性化し、歯根嚢胞が発生したのでしょう。
ヒビが入っている場合は、抜歯と歯根嚢胞摘出術を同時に行うしかありません。
嚢胞が大きいため、顎骨が少なく、すぐにインプラントを埋め込むことはできません。
インプラント治療を選択した場合、嚢胞摘出部位の骨再生を待つ必要があるため、治療期間は1年半ほどかかることが予測されました。
患者様は短い治療期間での施術をご希望されたため、右側の前歯の抜歯と歯根嚢胞摘出術の後は、セラミックブリッジによる修復を行うことにしました。

治療終了後のレントゲン写真

治療終了後の口腔内写真

この症例の治療費

前歯インプラント１本→495,000円（税込）
前歯セラミック３本→495,000円（税込）
《１本あたり165,000円（税込）》
ファイバーコア１本→22,000円（税込）

総額　1,012,000円（税込）

この症例のリスク

インプラント治療には「腫れ・痛み・違和感・出血・感染」などのリスクがあります。 
また、稀にインプラントと骨が結合しないことがあります。 
もし万が一、インプラントと骨が結合しない場合は、すぐに再埋入手術を無料で行わせて頂きます。
当院のインプラント治療には１０年保証が付いていますので、ご安心下さい。
セラミックが稀に欠けたり割れたりすることがあります。
当院のプレミアムセラミック治療には１０年保証が付いていますので、トラブル発生時には無料対応いたします。
（半年に１回の検診が、保証の条件となります。）