院長ブログ

院長 三浦 陽平

2026年 01月 31日

全顎治療(フルマウス治療)の痛みが不安な方に知って欲しいことがあります。

みなさんこんにちは。
藤沢市鵠沼海岸にある歯医者、医療法人社団 くげぬま海岸歯科クリニックです。

「全顎治療(フルマウス治療)は痛そうで怖い」
この不安のために、相談をためらっている方は少なくありません。
しかし結論から言うと、全顎治療の痛みは“設計と工夫”でコントロールできます
当院では、治療の結果(噛める・長持ちする・やり直しを減らす)だけでなく、治療中と治療後の“つらさ”を最小限にすることを重視しています。

全顎治療(フルマウス治療)=痛いというイメージがありませんか?

全顎治療は、治療範囲が広い分、治療期間が長くなります。
(目安として 通常約1年、歯列矯正を併用する場合は2年以上
この「長い」というイメージが、痛みへの心配につながりやすいのですが、実際は1回あたりの処置を適切に分散して進めるため、1回あたりの痛みは強くなりにくいのが全顎治療の特徴でもあります。
ただし正直な申し上げると、通院中は、
・インプラント治療
・抜歯
・歯周病治療
・虫歯治療
・精密根管治療
・被せ物(セラミック)治療
・ホワイトニング
・矯正治療
といった複数の施術が積み重なるため、「小さな痛みや違和感を感じるタイミングがどうしても多くある」のは事実です。

その中でも、痛みが出る可能性が高いのは外科処置を伴うインプラント治療です。
よって、インプラント治療の痛みを適切にコントロールできれば、全顎治療全体の痛みもコントロールできると言えます。

当院が徹底する「痛みを抑える」3つの方法

「一気にやらない」負担を分散する治療設計

全顎治療の痛みを最小限にするために、最も大事なことは、治療の組み立て(順番・範囲・負担の分散)です。
当院では以下のコンセプトに基づき、口腔内全体の噛み合わせを“根本から”再構築していきます。
・10年以上トラブルが生じないと予測できる歯は温存する。
・5年〜10年後にトラブルが発生しそうな歯は患者様と相談して、温存するかインプラントかを決める。
・数年以内に壊れたり割れたりする可能性が高い歯は、抜歯してインプラントにする。
・歯がない箇所にはインプラントを埋め込み機能を回復する。
・歯並びが悪い箇所は歯列矯正で、噛み合わせを整える。

また当院では、1日ががりの大掛かりな手術を行い、一気に治療を進めることはしません。
患者様の日常生活に支障が出にくい順番で、負担にならない範囲で、**1回あたり平均90分(診療項目により60〜120分)**の治療を積み重ねます。
この進め方自体が、そもそも「痛みが強く出にくい」設計です。

さらに当院では、「オールオン4」などで求められるような食事制限は基本的に行いません。
栄養が取れないと身体の回復が遅れ、痛みが出やすくなると考えているからです。
どの治療段階でも、しっかり食事を取っていただくことが、もし痛みが出ても回復を早める大切な要素になります。
また、『オールオン4』などで要求される食事制限は、基本的に行いません。
しっかり栄養を取れない=痛みが出やすい、と当院では考えています。
どの治療段階においても、食事をしっかり摂って頂くことで、もし痛みが出ても最短日数で回復できます。

こちらのデジタル画像のように、部分ごとに施術を進めていくことで、日常生活の制限が生じないような治療計画を立てています。

「痛み・恐怖・記憶を減らす」静脈内鎮静法(リラックス麻酔)

恐怖心が強い方、嘔吐反射が強い方、痛みに弱い方には、静脈内鎮静法という選択肢があります。
静脈内鎮静法には、
①点滴から静脈に麻酔薬を入れ、治療時の恐怖心や吐き気を抑制する。
②血圧・脈拍・血中酸素濃度などを生体モニターで測定し、全身状態を管理する。
③深く眠っているような状態が維持され、治療中の記憶はほとんど無くなる。(健忘効果)
④局所麻酔の痛みも感じない。(注射針が歯茎に刺さる時の痛みも無い。)
⑤静脈に・痛み止め・腫れどめ・化膿止めも注入するため、術後の痛みと腫れを最小限にできる。
⑥眠っている2時間半のうちに、インプラント手術以外の処置も並行して進めることができる。
以上のようなメリットがあります。

当院の静脈内鎮静法を担当するには、私の北大時代の後輩でもある「中島慶次」先生。
総合病院歯科口腔外科で全身麻酔にも携わっている、とても経験豊富な先生です。

「腫れと痛みを最小限にする」術前〜術後の痛み対策

全顎治療においては、インプラント・歯周外科・親知らず抜歯などの外科処置を伴うことが多くなります。

当院では、術後の腫れと痛みを最小限にするために、必要に応じて次のような対策を行っています。
①術前の化膿止め→外科処置の前に化膿止めを飲んで頂くことで、感染防止効果をアップします。
②術前の痛み止め→外科処置前に痛み止めを飲んで頂くことで、術直後の痛みをコントロールします。
③術中デカドロン→外科処置部位にステロイドを注入することで、炎症を軽減し、痛みと腫れをコントロールします。
④術後プレドニン→ステロイドの錠剤を飲んで頂くことで、炎症を軽減し、痛みと腫れをコントロールします。
⑤術後別系統の痛み止め→局所に作用するロキソニンに加え、脳に作用するカロナールも飲んで頂くことで、痛みを軽減します。

治療後のご不安を解消するアフターケア専用ダイヤル

当院では、インプラント治療の患者様のために、院長直通のアフターケア専用ダイヤルを設けています。
処置後のトラブルが起きないように最大限の配慮をしていますが、インプラント治療には外科的な手技が含まれるため、ごく稀に予期せぬトラブルが生じることがあります。
診療時間外でも対応いたしますので、もしもの場合は院長直通のスマートフォンへご連絡ください。

まとめ

全顎治療は大がかりになることは事実ですが、痛みは「設計」と「工夫」でコントロールできます。

当院では、痛みの不安が強い方のために、
・静脈内鎮静法(リラックス麻酔)という選択肢
・60〜120分のゆとりある診療時間と、患者様の負担を分散する治療設計
・外科処置を伴う場合は、術前〜術後の炎症・痛み対策(5つの工夫)
・治療後の不安を軽くするアフターケア専用ダイヤル
以上を組み合わせて、できる限り「つらくない治療」を目指しています。

「過去に歯科治療でつらい思いをしてトラウマが残った」
「全顎治療が必要だと思うけど、痛みや腫れが怖い」
「今まで、痛い時だけの治療でしのいできたが、噛み合わせがいよいよ崩壊してきた」
そのような方は、最初の来院時にご不安な点をすべて聞かせて下さい。
痛みへの不安を減らしながら、20年、30年と長期的に安定する噛み合わせを一緒に作っていきましょう。

フルマウス治療症例 どこで噛んでいいかわからない。痛くない治療を受けたい。

年齢・性別

40代・女性

来院動機

今まで騙し騙し、困った時だけ歯医者さんのお世話になってきた。
気がついたら噛み合わせが狂ってしまい、どこで噛んでいいか分からない。
従兄弟が歯医者をやっているが「難しい治療で、対応できない」と断られたので、高度自由診療に特化したクリニックに来た。
また、インプラントオペの痛みが心配なので、極力痛みを抑えた手法で進めて欲しい。

事前の精密検査

初診時のレントゲン写真

右下の歯がありません。
またほとんどの奥歯の神経も取られた状態です。

初診時の口腔内写真

噛み合わせが狂ってしまい、奥歯には大きい隙間が空いている状態です。
当然、硬いものをしっかり食べることができません。

治療方針

噛み合わせが狂ってしまった場合の最善の治療方法は、全顎治療(フルマウス治療)です。
適切な位置にインプラントを埋め込むことで、しっかり上下の歯が噛み合うようになります。
また、痛みへの配慮として、静脈内鎮静法をインプラント埋入時に併用する計画を立てました。

治療中のデジタルデータと精密な仮歯

インプラントのデジタルデザイン。
合計8本のインプラントで、噛み合わせを再建していきます。
デジタルデザインにより完成した、精密な仮歯(ファイナルプロビジョナル)を装着しました。
セラミック歯で16本分、インプラント上部構造で8本分の仮歯が入りました。
この状態で1ヶ月ほど使用して頂き、再構成した噛み合わせに問題かないかをチェックします。

治療後のレントゲン写真

治療後の口腔内写真

治療開始から約1年後に、天然歯と全く違いが分からないレベルのインプラント上部構造とセラミック歯が入りました。
審美性・機能性・耐久性を兼ね備えているので、人生最後の治療と言っても過言ではありません。

症例の治療に必要な標準的な費用

奥歯インプラント8本→3,520,000円(税込)
《1本あたり440,000円(税込)》
前歯プレミアムセラミック12本→1,980,000円(税込)
《1本あたり165,000円(税込)》
奥歯プレミアムセラミック4本→572,000円(税込)
《1本あたり143,000円(税込)》
ファイバーコア5本→110,000円(税込)
《1本あたり22,000円(税込)》
咬合再構成(全ての仮歯代とデジタルデザイン含む)24本→1,056,000円(税込)
《1本あたり44,000円(税込)》
静脈内鎮静法(睡眠無痛治療)3回→264,000円(税込)
《1回あたり88,000円(税込)》

総額 7,238,000円(税込)

主なリスク・副作用

インプラント治療には「腫れ・痛み・違和感・出血・感染」などのリスクがあります。 
また、稀にインプラントと骨が結合しないことがあります。 
もし万が一、インプラントと骨が結合しない場合は、すぐに再埋入手術を無料で行わせて頂きます。
セラミックが、稀に欠けたり、外れることがあります。
当院のプレミアムセラミック治療には10年保証がついていますので、トラブル発生時には無償対応いたします。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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