院長ブログ

院長 三浦 陽平

2025年 10月 01日

銀歯を放置していませんか?

銀歯には強い毒性があります。

日本の虫歯治療において、最も多用されている銀歯。
実は銀歯は他の国には存在しません。
銀歯の中に含まれているパラジウム合金には、非常に強い毒性があるためです。
パラジウムによる金属アレルギーの症状としては、
・顔や全身の湿疹
・手足の皮向けや水膨れ
・舌のただれ
・味覚の異常
・口内炎
・口唇炎
・頭痛
・肩こり
・立ちくらみ
以上のように多岐にわたります。
そのため、ドイツやスウェーデンのような歯科医療先進国において、歯科医師が銀歯を患者様に使用した場合、刑事罰の対象となってしまいます。

銀歯にもメリットはあります。

保険診療の適応となるため、安価な治療費で虫歯を治すことができます。
銀歯の治療費の目安は、1本あたり3,000円から6,000円。
そのため、お子さんや学生さんなど、お口の中に高額な治療費をかけれない年代の方には、メリットも存在します。
日本の健康保険制度は素晴らしい側面もあります。
全ての方に安価な治療を提供するために、銀歯を使用することはやむ負えないとも言えます。
過去の自分の立場で考えてみても、学生時代に虫歯になってしまい、歯医者さんで治療費が10万円以上と言われたら困ってしまうでしょう。

銀歯にはデメリットがたくさんあります。

①銀歯の中でまた虫歯になってしまう。

銀歯は金属なので、噛む力で少しづつ変形していきます。
変形してできた隙間に汚れが溜まりやすくなるため、虫歯菌が銀歯の内部に侵入していきます。
しかし、銀歯の内部は定期検診時にレントゲン撮影をしても、虫歯の進行を確認できません。
そのため、気が付かないうちにどんどん虫歯が進行し、最終的には神経を失う事態になることもあります。

②歯周病になりやすい。

銀歯が少しづつ歪んでいくことで、歯と銀歯との間に隙間ができます。
その隙間に汚れが蓄積していくことで、歯周病菌が定着していきます。
銀歯の下に歯石が沈着してしまうと、ご自分で歯石を取り除くことは難しくなります。
また、強固にこびりついた歯石は、歯科衛生士さんのクリーニングでも取りきれないこともあります。
結果として、歯周病が進行してしまい、歯を支える歯槽骨が減っていき、銀歯そのものは問題なくても、ご自分の歯ごと失うことになってしまいます。

③歯が割れる。

銀歯は非常に硬いため、ご自分の天然歯を痛めつけてしまいます。
短期間では問題なくても、銀歯を入れてから5年以上経過している歯は要注意です。
硬い銀歯による歪んだ力のせいで、歯が完全に割れてしまうことがあります。
割れてしまった歯を温存する技術は今のところなく、抜歯するしかありません。
(私の母校である北海道大学の歯学部では、割れた歯を抜き、接着剤でくっ付けてから戻すという治療方法を提唱していました。しかし、術後の成績があまり良くないこともあり、全国的に広がることはありませんでした。)

銀歯内部の虫歯をセラミックで修復した治療例

治療前後の経過写真

既に銀歯が入っている内部は、どのような状態になっているかレントゲンでは分かりません。
症状が全くなくても、銀歯を入れてから5年以上経過していると、深部でむし歯が再発していることがほとんどです。
銀歯を外すと、大きいむし歯が見つかりました。
銀歯は劣化が早く、隙間から細菌が侵入することが、むし歯再発の原因です。
むし歯を全て丁寧に取り除きました。
茶色くても硬い箇所は温存しておいても問題ありません。
噛み合わせに関与している部分が失われてしまったため、セラミッククラウンを被せる必要があります。
保険適応のレジン充填(光硬化型のプラスチック)を詰めても、強度に劣るため、咬合力に耐えれず、染みてしまい、しっかり噛むことができません。
セラミッククラウンを被せて治療終了となります。
セラミックは銀歯とは異なり、しっかりお手入れをし、定期検診に来ていただくことで、10年20年と長持ちします。
尚、部分的な詰め物タイプのセラミック(セラミックインレー)は8年前後で割れてしまう可能性があるため、当院では行っていません。

この症例の治療費

奥歯用スタンダードセラミック 110,000円(税込)

この症例のリスク

稀にセラミックが割れたり外れることがあります。
その場合は5年保証が付いているため、速やかに無料対応させて頂きます。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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