目次
歯が原因でなくても歯が痛いと感じることがあります。
・むし歯
・歯周病
・歯根の病気
・噛み癖
・歯軋り
など歯が原因で痛みが出てしまった場合は歯医者さんに行けば治ります。
問題は、『歯が痛い』と感じても、歯に原因がない場合です。
非歯原性疼痛とは?
歯に全く問題がなくても歯が痛む症状を『非歯原性疼痛(慢性疼痛)』と言います。
歯の痛みは、歯とその周りの組織に原因があることがほとんどです。
しかし稀に、歯とその周りの組織以外の原因でも、歯が痛いと感じることがあります。
非歯原性疼痛の症状
・痛みは歯だけでなく、口腔内全体、顎、顔面全体に広がることがある。
・痛い歯がその都度、変わっていく。
・疼くような鈍痛、もしくは激しい痛みを伴う。
・一時的に痛い場合と、持続的に痛い場合がある。
・食事や歯磨きなど、トリガーとなる行為で痛みが憎悪することがある。
非歯原性疼痛の診断
・歯
・歯肉
・顎関節
・噛み合わせ
・上顎洞
などの精密検査を行います。
問診及び画像診断で明らかな異常が発見できない場合は、非歯原性疼痛を疑います。
非歯原性疼痛の原因は?
①筋・筋膜性疼痛
咬筋や側頭筋など咀嚼する時に使う筋肉の疲労や肩こりが原因で、歯に痛みを感じることがあります。
わかりやすく言うと、「筋肉の凝り」から来る痛みです。
②神経障害
帯状疱疹、三叉神経痛などの神経障害が原因で、歯に痛みを感じることがあります。
帯状疱疹による痛みは、免疫力が低下した時に生じます。
三叉神経痛による痛みは、高齢の方に生じることが多いです。
③神経血管性疼痛
偏頭痛に連動して、歯が痛くなることがあります。
頭痛が酷くて、脳神経外科や脳神経内科を受診したことがある方に、生じやすいです。
④上顎洞性歯痛
副鼻腔炎(上顎洞炎)が原因で、上顎の奥歯に痛みを感じることがあります。
副鼻腔をCTで撮影すると、上顎洞に炎症を確認できます。
耳鼻科で与薬を受けることで改善します。
⑤心臓性歯痛
心臓病の症状として、歯に痛みを感じることがあります。
狭心症や心筋梗塞などが原因です。
運動時や興奮時に歯が痛くなり、安静にしていると歯の痛みは無くなることが、特徴です。
胸の痛みや不快感を伴うことが多いです。
内科、循環器科、心臓血管外科などで精密検査を受けることをお勧めします。
非歯原性疼痛の治療
以上の原因のうち③④⑤は、歯科医院ではなく、他の診療科を受診することで、歯の痛みを無くすことができます。
難しいのは①と②が原因の場合です。
筋・筋膜性疼痛の場合は、リハビリテーション、マッサージ、薬物療法などが用いられます。
鍼灸治療なども効果があると言われています。
神経障害の場合は、鎮痛薬、抗てんかん薬などの薬物療法がメインとなります。
非歯原性疼痛はどこで治療が受けれるの?
一般の歯科医院での対応は難しいのが現状です。
当院でも、半年にお一人くらいの割合で非歯原性疼痛の可能性が高い患者様が来られます。
大学病院の口腔顎顔面痛外来の受診をお勧めしています。
神奈川県ですと、「神奈川歯科大学病院 口腔顔面痛みしびれ外来」が有名です。
『日本口腔顎顔面痛学会』のHPに、全国の認定医及び認定施設が掲載されていますので、ぜひ参考にして下さい。
原因不明の歯の痛みで悩んでいる方へ
当院では、丁寧な問診及び最新の医療機器による画像診断を行なっております。
その上で、歯に原因がないと判断した場合は、適切な診療科及び高次医療機関をご紹介しています。
様々な歯科医院に行っても、歯の痛みが変わらずお困りの方のお悩みに寄り添いますので、どうぞお気軽にご相談下さい。
