院長ブログ

院長 三浦 陽平

2025年 08月 28日

前歯のインプラントが難しい理由を解説します。

みなさんこんにちは。
藤沢市鵠沼海岸にある歯医者、医療法人社団 くげぬま海岸歯科クリニックです。
今日は、前歯のインプラントが難しい理由を解説します。

前歯のインプラントは奥歯よりも難しいと言われています。

インプラントは顎骨に人工歯根を埋め込み、歯を再建する治療方法です。
天然の歯と同じように噛めて長持ちします。
誤解を恐れず言ってしまえば、奥歯のインプラントはしっかり噛めればそれでOKです!
しかし前歯のインプラントは以下のような理由により、奥歯のインプラントよりも難しいと言えます。

顎骨が薄い

前歯は、奥歯に比べて顎の骨が薄いことが多いです。
特に上顎においては、骨が薄いため、繊細な処置が求められます。
インプラントを埋め込むには十分な骨量があった方が簡単です。
骨が不足しているとインプラントを埋め込んだ際に安定しないため、治療が難しくなります。

審美性(見た目)への要求レベルが高い

前歯は他人から最も見られる部分と言えます。
目と口元が気にならない方はいません。
歯の色と形、歯茎とのバランスなどに、ちょっとしたズレや歪みがあるとどうしても目立ってしまいます。
インプラントを埋め込む歯科医師、上部構造(セラミック歯)を製作する歯科技工士、双方が高い技術力を兼ね備えている必要があります。

インプラントをピンポイントで正確な位置に埋め込むことが必要

奥歯であれば、インプラントを埋め込む位置にある程度の幅があります。
5ミリほどのズレがもし生じたとしても、そこまで困った事態には陥りません。
しかし、前歯のインプラントは違います。
5ミリどころか1ミリのズレも許されないシビアなケースがほとんどです。
骨の硬さや密度、隣の歯との距離、噛み合う歯の位置、歯茎とのバランス、などを考慮してピンポイントでインプラントを理想的な位置に埋め込むことが求められます。

即日で仮歯が必要

奥歯であれば、見えないため仮歯を希望される患者様は多くはありません。
しかし、前歯の場合は、100%の患者様が仮歯を希望されます。
インプラントを埋め込むのと同時に仮歯をセットするには、インプラントが即日で安定していることが必須となります。
その上で、美しい仮歯を製作する高い技術力も必要となります。
インプラント治療に慣れていない歯科医院の場合、即日での仮歯装着は難しいと言われることがほとんどでしょう。

美しい前歯のインプラント治療例

年齢・性別

30代・女性

来院動機

神経の死んだ前歯がグラグラしている。
インプラントで前歯のグラグラを治したい。

治療内容

初診時のレントゲン写真

過去に神経を取った右上の前歯が、グラグラしていました。
歯根の先端に大きい嚢胞があるため、温存することは不可能でした。

初診時の口腔内写真

一見、そこまで悪くはなく見えますが、、、
裏から見ると、大きい穴が空いており、他院さんで何回も根の治療(根管治療)を行なっても、改善しなかったことが分かります。

治療方針

右上の中切歯(1番目の前歯)には大きい歯根嚢胞が存在したため、抜歯と同時のインプラント治療を提案しました。
右上の側切歯(2番目の前歯)は、顕微鏡下による米国式精密根管治療により、歯を温存しセラミックを被せる計画を立てました。
私はインプラント専門医ですが、極力歯を抜かないで残すことを心がけています。
また、顕微鏡治療も得意としていますので、他院さんの診断よりも少ないインプラント本数で済むことが多いです。

オペ中の口腔内写真

右上の残せない前歯を抜いてから、歯根嚢胞を摘出するために歯茎を切開します。
歯根嚢胞を全て取り除きました。
特殊なドリルでインプラントを埋め込むための穴を削っていきます。
インプラントを埋め込んでいきます。
インプラントと歯根嚢胞があった箇所とのギャップにはコラーゲンシートを入れて、骨の再生を促します。
縫合して、オペ終了となります。
もちろん、即日で美しい仮歯を装着してから、帰って頂きます。
抜歯、歯根嚢胞摘出、インプラント埋入、を同時に行うことで治療期間の大幅な短縮が可能となります。

治療後のレントゲン写真

右上の前歯に、1本インプラントと1本のセラミック歯が入りました。

治療後の口腔内写真

初診日から4ヶ月後に、全ての治療が終了しました。
治療の工程をシンプルにすることが、インプラント治療成功の秘訣です。
裏側から見ても、天然歯と変わらない美しさを再現できたことが分かります。

Dr.より

神経を失った前歯の場合は、歯を支える骨(歯槽骨)も失ってしまい、グラグラしてくることがあります。
グラグラが酷い場合は、インプラント治療。
グラグラが酷くない場合は、米国式精密根管治療による天然歯温存をお勧めします。

症例の治療に必要な標準的な費用

前歯プレミアムインプラント1本→495,000円(税込)
前歯プレミアムセラミック1本→165,000円(税込)
前歯米国式精密根管治療1本→110,000円(税込)
ファイバーコア1本→22,000円

総額 792,000円(税込)

主なリスク・副作用

インプラント治療には「腫れ・痛み・違和感・出血・感染」などのリスクがあります。 
また、稀にインプラントと骨が結合しないことがあります。 
もし万が一、インプラントと骨が結合しない場合は、すぐに再埋入手術を無料で行わせて頂きます。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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