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院長ブログ

院長 三浦 陽平

2024年 03月 10日

インプラントを撤去してからの矯正治療!

ここ最近当院で増えてきたのが、「他院で数年前に埋め込んだインプラント(人工歯根)を抜いてから、歯列矯正を受けたい」という、患者様からの依頼です。

横浜や東京など遠方から通院される方も多いので、事情を伺ってみたところ、どこのクリニックに行っても
・インプラントの撤去はできないと断られる。
・インプラントの撤去が仮にできたとしても、その後の矯正治療を断られる。
・インプラントの撤去を大学病院や総合病院の口腔外科で受けてから、矯正治療が可能かどうか調べる。
以上のように言われてしまい、当院に通院している事情があるようです。

インプラントの撤去そのものは難しくありません。
親知らずの抜歯を日常的に行なっているクリニックさんであれば、対応可能だと思います。

ただ、その後に歯列矯正をご希望してる方のインプラント撤去となると、一気に難易度が跳ね上がります。
歯の矯正治療は、少しずつ弱い力をかけていくことで歯を動かしていきます。
1ヶ月に1ミリしか歯は動きませんが、骨があるところであれば、適切な力さえかければ必ず歯は動きます。

この『骨があるところに歯は移動できる』がポイントです。
逆に言ってしまうと『骨がないところには歯は移動できない』という理屈になります。

親知らずを抜く時には、親知らず周囲の骨をたくさん削ります。
インプラントを抜く時にも、同じような感覚で、インプラント周囲の骨を削ってしまうと、矯正治療は失敗することが確定してしまいます。
インプラントを撤去した部分には、もう骨が存在しないですから、その空いたスペースに歯を移動させることは不可能なのです。
これが、どこのクリニックに行っても「インプラントを撤去してからのインプラント治療」を断られる理由なのです。

では、どのようなクリニックなら、周囲の骨を温存しつつインプラントを撤去できるか?
抜歯即時埋入インプラントの経験が豊富なクリニックであれば、骨を無理に削ることなくインプラントを撤去してくれます。
悪い歯を抜いて即時にインプラントを埋め込むには、骨がたくさん残っている必要があります。
骨が残っていないと、インプラントを埋め込むスペースがないためです。
そのため、抜歯即時埋入インプラントに慣れている歯科医師ならば、骨を極力削らないで抜歯するテクニックを習得しています。
悪い歯を抜くのも、使わなくなった数年前に埋め込んだインプラントを抜くのも、原理原則は同じです。

遠方から来院して頂くのはとてもありがたいことですが、歯列矯正の治療期間は2年半ほどかかるのが平均です。
まず、無理なく通える範囲で、クリニックを探して頂くとよろしいかと思います。

もちろん、遠方から来院して頂ける方においても、それを理由に当院での治療を断ることはないのでご安心下さい。

他院で埋め込んだインプラントを撤去してからの矯正歯科治療例

初診時の口腔内写真とレントゲン

正面
左側
右側
右下奥から2番目の歯がインプラントです。
上顎
下顎
右側の奥から3番目の歯がインプラントです。
右下に他院さんで5年前に埋め込んだインプラントが入っています。
骨と強固に結合することで有名なストローマンインプラントが入っていました。
インプラント周囲の骨を温存しつつ、インプラントを撤去しました。
撤去に要した時間はわずか15分のみ。
ただ、撤去中の音と振動はかなりあるので、恐怖心が強い方には、鎮静法をお勧めしています。

治療後の口腔内写真とレントゲン

正面
左側
右側
上顎
口蓋に埋め込んでいる矯正用インプラントは、保定期間が終われば取り除きます。
下顎
インプラントを撤去したスペースは完全に閉じています。

この症例の治療費
・インプラント撤去費→88,000円(税込)
・矯正治療→880,000円(税込)【ハーフリンガル】
     *調整料 別途

この症例のリスク
・インプラントの撤去後には腫れと痛みを伴います。
 3日後には治る場合がほとんどです。
・矯正治療中には、虫歯と歯周病が進みやすいリスクがあります。
 ケア方法もお伝えしていますのでご安心下さい。    

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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