院長ブログ

院長 三浦 陽平

2025年 07月 27日

インプラントのスクリュー固定とは?

みなさんこんにちは。
藤沢市鵠沼海岸にある歯医者、医療法人社団 くげぬま海岸歯科クリニックです。

今日は顎骨の中に埋め込んだインプラント本体(人工歯根)と上部構造(セラミック歯)の接合機構について解説します。

インプラントの上部構造(セラミック歯)の固定方法には2つの種類があります。

インプラントの上部構造(セラミック歯)の固定方法には、スクリュー固定とセメント固定の2種類があります。
スクリュー固定は、ネジで顎骨に埋め込まれたインプラント(人工歯根)とセラミック歯を固定する方法です。
セメントが残留するリスクがないため、インプラント周囲炎になりにくいと言われています。
セメント固定は、インプラント(人工歯根)とセラミック歯を接着剤でくっつけて固定する方法です。
セメントが残留するリスクがありますが、技術的な難しさはないため、主にアメリカで広く用いられています。

スクリュー固定のメリットは?

・取り外しが簡単なため、メンテナンスや調整がしやすい。
・セメントが残留することによるインプラント周囲炎のリスクがない。
・ライフステージに応じて、上部構造の交換ができる。

スクリュー固定のデメリットは?

・セラミック歯の真ん中もしくは裏側にネジ穴が必要となるため、うまく隠す必要がある。
・構造が複雑になるため、治療費がセメント固定と比べて高くなってしまう。
・インプラントの埋め込む位置がシビアになるため、高い技術力が求められる。

セメント固定のメリットは?

・ネジ穴がないので、審美性に優れている。
・構造がシンプルなため、治療費のコストダウンが可能。
・インプラントの埋め込む位置がシビアでないため、経験の浅い歯科医師でも施術が可能。

セメント固定のデメリットは?

・一度くっつけたら、基本的にセラミック歯の取り外しや交換は難しい。
・セメントが残留することによるインプラント周囲炎のリスクが高い。
・ライフステージに応じた、上部構造の交換ができない。

結局、スクリュー固定とセメント固定どちらがいいの?

私の考えでは、絶対的にスクリュー固定をお勧めします。
セメント固定には、インプラント担当医に高い技術が求められない、治療費を安く抑えれる、というメリットはあります。
しかし、インプラントを長く使って頂くには、セメント固定のデメリットが目立ってきます。
インプラント周囲炎になりやすい、トラブル発生時に簡単に外せない、セメント固定のデメリットは私には許容できないところです。
当院におけるインプラント治療の99%において、スクリュー固定によるセラミック歯で対応してます。
ごく稀に上顎前歯部において、セメント固定を使うこともありますが、このような角度付きのパーツを利用することで、その頻度は益々減ってきています。

スクリュー固定の上部構造で噛み合わせを回復したインプラント治療例

患者様にセットする前のインプラント上部構造の写真

歯科技工士の高畑先生が製作した、インプラント上部構造(セラミックブリッジ)。
このように模型にセットされた状態で納品されてきます。
上顎の左側の奥歯の上部構造です。

インプラント上部構造からスクリューを外した写真

2本のスクリューで、インプラント本体とセラミックブリッジを接合します。
こんな感じにドライバーでスクリューを締めていきます。

患者様の口腔内にインプラント上部構造をセットした後の写真

咬合面からの口腔内写真。
左側の奥歯にスクリューで固体されたインプラント上部構造が入りました。
ネジ穴は白い樹脂で埋めるため、ほとんど分かりません。
側方からの口腔内写真。
ネジ穴は全く見えません。

この症例の治療費

奥歯用インプラント2本→880,000円(税込)
《1本あたり440,000円(税込)》
奥歯用セラミック歯ダミー1本→132,000円(税込)

小計 1,012,000円(税込)

この症例のリスク

インプラント治療には「腫れ・痛み・違和感・出血・感染」などのリスクがあります。 
また、稀にインプラントと骨が結合しないことがあります。 
もし万が一、インプラントと骨が結合しない場合は、すぐに再埋入手術を無料で行わせて頂きます。
当院のインプラント治療には10年保証が付いていますので、ご安心下さい。
(半年に1回の検診が、保証の条件となります。)

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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