院長ブログ

院長 三浦 陽平

2026年 08月 09日

インプラントメーカーの違いとは? 23年・6,000本の治療経験から当院のインプラントシステムをご紹介

みなさんこんにちは。
藤沢市鵠沼海岸の歯医者、くげぬま海岸歯科クリニックです。

今日は、当院で取り扱っている(過去に取り扱っていた)インプラントシステムをご紹介します!

患者様から「どこのインプラントメーカーが良いの?」と聞かれることがあります。

結論からお伝えすると、すべての患者様にとって「一番良いインプラントメーカー」はありません。
骨の量や質、治療する部位、治療方法によって適したインプラントは異なります。
当院では、24年間・約6,000本の治療経験をもとに、症例に応じてインプラントシステムを使い分けています。

インプラント治療歴23年 施術本数6,000本 の内訳をご紹介します。

現在、日本で流通しているインプラントシステムは30種類以上と言われています。
日本製・アメリカ製・ヨーロッパ製・ 韓国製・南米製 など世界各国のインプラントメーカーが参入することで、日本のインプラント治療は日進月歩で進化しています。

本当はインプラントシステムを1つに絞ったほうが、在庫管理や滅菌消毒やコスト管理などクリニック側の事情を優先すると、良い側面もあります。
しかし、患者様により良い診療を提供しようとなると、気がついたら取り扱っているインプラントシステムの種類が増えてしまうんですね。。。
当然、ランニングコストが跳ね上がるデメリットは存在しますが、
・1本をより綺麗に治したい
・すぐに噛めるようにしたい
・入れ歯を使う期間をゼロにしたい
・骨が少ない箇所にインプラントを入れたい
・交通事故で前歯が吹き飛んでしまったので、即日で見た目の改善をはかりたい
・歯がボロボロでほとんどないのを何とかして欲しい
以上のような患者様の様々な要望に応えるには、複数のインプラントシステムを組み合わせていく必要があるのです。

例えるなら、美味しいお寿司を握るには、東京湾だけではなく津軽海峡やオホーツク海や玄界灘などからもお魚を仕入れた方が良いですよね。
私も症例に応じて様々なインプラントシステムを選択し組み合わせることで、常に最高の結果を追求しています。

メガジェン

日本初の販売認可取得】直径7.0mm以上のインプラント「AnyOne エクストラワイドインプラント」を販売開始。 | 株式会社メガジェンジャパンのプレスリリース

現在、当院のメインインプラントシステムがメガジェン。
私がインプラント治療を教わっている、日本のインプラント治療の第一人者である林楊春先生が関わっているメーカーです。
骨が少ない日本人に最も適しているサイズをもれなく用意しているため、骨を増やすことなく、インプラントオペが短期間に完了します。
林楊春先生が提唱する、患者様の身体的精神的負担を減らすことを最優先した4Sコンセプトを実践するにはメガジェンインプラントは欠かせません。

4Sの由来と意味

  • Short(短期間治療): 治療期間や通院回数を少なくします。
  • Simple(シンプル): 複雑な外科手術や余計なプロセスを省きます。
  • Small(最小限): 傷口や削る量を小さくし、身体への負担(低侵襲)を減らします。
  • Safe(安全): 丁寧な診断と技術で安全性を高めます。 

また以上を徹底して行なった結果として、審美性に優れ天然歯のように見える上部構造(セラミック歯)を作製することが可能となります。

分かりにくいのですが、メガジェンインプラントの中に『エニーリッジ』と『エニワン』と『ブルーダイヤモンド』の3つのブランドが存在します。
この3つのブランドを組み合わせると、ほとんどの症例に対応することができます。

ストローマン

私が24年前に初めて埋め込んだインプラントがストローマン。
世界シェアNo.1であり、最も歴史が長いインプラントメーカーの一つです。
表面性状に優れていて、最短6週間で骨と結合すると言われています。
太めのサイズに強みがあり、どちらかといえば骨が十分ある方向けのインプラントです。
ネック部分の鏡面研磨された部分により、インプラント周囲炎にもなりにくいです。
当院では、骨が少ない方が多く来院されるため、現在は使用していませんが、他院さんで埋め込まれたストローマンインプラントの上部構造やり変えには対応しております。

ネオデント

さいたま市浦和区のインプラント専門医 認定医 北浦和 | 北浦和・さいたま市

ストローマンの兄弟ブランドがネオデント。
日本から最も遠い国であるブラジルのメーカーです。
前歯の見た目の美しさにこだわったパーツが多数用意されています。
奥歯はストローマンで耐久性、前歯はネオデントで審美性、を追求といった使い方をしている先生方もいます。
当院では、「歯がボロボロの方」「総入れ歯を使用中の方」向けのオールオン4ないしオールオン6といった治療に使用しています。

バイオテム

2008年に設立された新進気鋭のインプラントメーカー。
そのため、メガジェンやストローマンほどのブランド力はありません。
しかし最後発だけに、各インプラントメーカーのいいとこどりとも言えます。
特徴はとにかく初期固定が取りやすいこと。
インプラントと骨ががっちり噛み込んでくれるので、オペ日に仮歯を入れることが容易にできます。
当院では即時荷重インプラントに主に使用しています。
また、最新のデジタルソリューションに対応しています。
ガイデッドサージェリーにも完全対応。
歯型を記録する際にも、スキャンボディによる口腔内スキャンで患者様の負担も軽減できます。

デジタル<br/>ソリューション

このような特殊な金属加工のアフターサービスが充実しています。
より患者様一人ひとりの状態に合わせることがしやすいオーダーメイドインプラントと言えます。
「歯がほとんどない方」向けのオールオン4ないしフルマウス治療にも向いているインプラントシステムです。

GC

当院の開業時に採用していたインプラントシステムがGC。
安心の日本製です。
骨との結合や長期的な安定性には優れていますが、スクリュー固定に適したパーツの供給が少ないため、現在は使用していません。
埋入から13年ほど経過していますが、大きなトラブルもなく非常に安定した成績を残しています。

スプライン

HAコーティングで一世を風靡したのが、スプラインインプラント。
HAインプラントのリーディングインプラントでした。
HAコーディングにより骨が柔らかい人でも、しっかり骨結合してくれる点が魅力でした。
現在は、チタン製インプラントの表面性状が進化し、HAインプラントを使用するメリットが少なくなりました。
よって、現在では使用していません。

HAインプラントとは?

HAインプラントは、チタン製のインプラント体の表面を骨の主成分であるハイドロキシアパタイトでコーティングしたものです。
骨と強固に結合するため、治療期間を短縮でき、骨の状態が悪い場所や抜歯即時埋入にも有効とされています。 

メリット

  • 早い結合: 骨と生化学的に直接結びつくため、短期間で固定されます。
  • 適応力: 骨が少なく骨質が柔らかいケースでも、骨との結合が期待できます。 

デメリット

  • 耐久性: HAコーティングが剥離する場合があります。
  • 費用: 通常のチタンインプラントに比べ、コーティング加工の分だけ費用が高くなる傾向があります。
  • 長期経過: HAコーティングは感染に弱いため、長期経過には不安があります。

TSV

TSV=Tapered Screw-Ventインプラントはスプラインと同じく、アメリカのジンヴィ社製です。
このジンヴィにストローマン、ノーベルバイオケア、アストラを加えた4社が、インプラントの4大メーカーと言われています。
TSVは4大メーカーだけあって、とても良いインプラントシステムですが、日本人の華奢な骨格に合った、短いサイズや細いサイズがラインナップされてないこともあり、現在は使用していません。
ストローマンと同じく上部構造のやり変えなどは行なっています。

レガシー

ネオデントと同じく比較的後発のインプラントシステム。
同じサイズにチタンインプラントとHAインプラントの両方をラインナップしている点が特徴。
骨質が硬い場合はチタンインプラント、骨質が柔らかい場合はHAインプラント、と臨機応変に使い分けることができる点が魅力でした。
また、TSVの進化形とも言えるので、ショートインプラント(太いサイズ)とナローインプラント(細いサイズ)が用意されているのも魅力です。
しかし、スプラインと同じく、HAインプラントを使う必要性がなくなったため、レガシーインプラントも現在は使用していません。

デンティウム

メガジェンの前のメインインプラントシステムがデンティウムでした。
ショートインプラントの元祖とも言えるメーカーです。
ショートインプラントの登場により、骨をたくさん作る必要がなくなりました。
また、「歯医者の使い勝手の良いインプラント」をコンセプトにしているため、オペ中の細いところへの配慮が行き届いたメーカーとも言えます。
現在でも世界的に売れているメーカーです。
デンティウムのショートインプラントは長さ5.5ミリ、メガジェンのショートインプラントは長さ5ミリ、のため5年ほど前から当院のメインシステムはメガジェンに切り替わりました。

まとめ

現在、日本国内ではさまざまなインプラントシステムが使用されており、それぞれに特徴や得意とする症例があります。
大切なのは、「どのメーカーが一番良いか」だけでインプラントを選ぶことではありません。
患者様個々の骨量と骨質、治療する部位、審美性、咬合力、治療期間などを総合的に判断し、患者様にとってベストな結果に繋がるインプラントを選択することが重要だと私は考えています。

そして、インプラントメーカーの知名度やブランド力以上に大切なのが、そのインプラントの特徴を理解し、適切な位置に埋入する担当医の診断力と技術力です。

私は24年間・約6,000本のインプラント治療経験の中で、さまざまなインプラントシステムを実際に使用してきました。

その経験を生かし、特定のメーカーに患者様を合わせるのではなく、患者様一人ひとりに最適なインプラントシステムを選択することで、10年後20年後を見据えて、美しくしっかり噛める歯を再建したいと思っています。

メガジェンインプラントを使用した奥歯のインプラント治療例

年齢・性別

50代・女性

来院動機

奥歯がグラグラして痛い。
柔らかいものしか食べられなくて困っている。

事前の精密検査

初診時のCT写真

CT写真を撮影すると、歯根の中央部分の骨が溶けてしまっていることがわかります。

初診時の口腔内写真

左から2番目の歯に長期間にわたり銀歯が入っており、噛む度に銀歯がグラグラして痛みを感じていました。
他院さんで銀歯を外し、歯根破折と診断されてから、当院を受診されました。

治療方針

当院では、シンプルで患者様に負担のない治療を行うことを心がけています。
既存の薄い骨に、インプラントを噛み込ませることで、大規模な骨を作る手術を避ける計画を立てました。

治療中の様子

抜歯をすると、CT写真での予測通り、歯を支えるべき歯槽骨が全くない状態でした。
抜いた歯は力をかけると、このように砕けてしまうほど脆い状態でした。
上顎洞底の薄い骨を一層削り、インプラントをピンポイントで噛み込ませます。
骨の厚みは1ミリもないので、高度な技術が要求されます。
直径4ミリ長さ10ミリのスタンダードサイズのインプラントを選択しました。
適切なインプラントサイズを選択することで、少ない骨量の症例でも、良好な初期固定が得ることができます。
理想的な位置にインプラントが収まりました。
インプラントを埋め込んだ直後のCT写真でも、インプラント周囲に全く骨がないことが分かると思います。
インプラントに仮蓋をセットします。
インプラント周囲に人工骨を敷き詰めて、骨の再生を図ります。
人工骨を入れた後のCT写真です。
3ヶ月ほど待てば、人工骨は天然の骨と同化してくれます。

治療後のレントゲン写真

プライムスキャンでの型取りにより、適合に優れた上部構造の製作が可能となります。

治療後の口腔内写真

上部構造のセラミック歯をセットした直後の状態です。
最後にアクセスホールを樹脂で埋めて治療終了となります。
インプラント治療が終わった後も、クリーニングと定期検診に来て頂ければ、インプラントが20年30年と長持ちします。

Dr.より

既存の骨が少なくても、抜歯即時埋入インプラントのテクニックを用いることで、手術は1回のみで済みます。
抜歯とインプラント埋入に要した時間はわずか15分。
怖がりな方でインプラント治療に踏み切れない方は、ぜひ当院にご相談下さい。

症例の治療に必要な標準的な費用

440,000円(税込)

主なリスク・副作用

インプラント治療には「腫れ・痛み・違和感・出血・感染」などのリスクがあります。 
また、稀にインプラントと骨が結合しないことがあります。 
もし万が一、インプラントと骨が結合しない場合は、すぐに再埋入手術を無料で行わせて頂きます。

この記事を書いた人
院長 三浦陽平

くげぬま海岸歯科クリニック 院長の三浦 陽平です。何歳になってもしっかり噛めるように、すてきな笑顔でいられるように、20年後・30年後を見据え、やり直しがない本当に良い治療を提供していきたいと思っています。

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