テトラサイクリン歯のセラミック治療
Tetracycline Toothテトラサイクリン歯とは?
テトラサイクリン歯とは、子供の頃(0歳〜6歳)にテトラサイクリン系の抗生剤を服用したことにより、変色してしまった歯のことを指します。
1960〜1970年代においては、お子さんに対してもテトラサイクリン系の抗生剤が一般的に使用されていました。
現在では、テトラサイクリン系の抗生剤の副作用として、歯の変色が生じてしまうリスクが広く認知されたため、処方されることはまずありません。
テトラサイクリン歯の構造
歯は、外側にエナメル質、内側に象牙質という、2層構造になっています。
通常、エナメル質は白色、象牙質は黄色です。
テトラサイクリン系の抗生剤を服用すると、薬剤の成分が象牙質に吸収されます。
太陽光の中の紫外線とテトラサイクリン系抗生剤の成分が、化学反応を引き起こすことで色素が発生すると言われています。
歯に太陽光が当たる⇨象牙質の色が黄色から褐色になる⇨歯に太陽光が当たる⇨象牙質の褐色がさらに濃くなる
以上のような転機をたどり、気がついたら全ての歯が黒ずんで見えてしまうことがあります。
テトラサイクリン歯の分類
第1度 | 歯全体が黄色〜灰色に着色している。縞模様はない。 |
---|---|
第2度 | 歯全体が一様に着色しており、第一度よりも全体的に色が濃い。縞模様はない。 |
第3度 | 青みがかった灰色をしている。縞模様やグラデーションがある。 |
第4度 | 全体的に濃い着色が強く見られ、縞模様もある。 |
テトラサイクリン歯の治療法
変色が軽度であれば、ホワイトニングを選択肢の一つにすることも可能です。
しかし、ホワイトニングを行っても、まだらのまま白くなることがほとんどですから、やはりセラミックによる修復治療が第一選択となります。
セラミック治療であれば、ホワイトニングのようにまだらになってしまうこともありませんし、白さが後戻りすることもありません。
テトラサイクリン歯のセラミック治療例
-
初診時口腔内写真。
全体的なテトラサイクリン歯による変色と、20年近く前に被せた右上差し歯の変色を、気にされての来院でした。
主に目立つ上の前歯4本のみを、セラミック治療で修復することで、変色を分かりにくくする計画を立てました。治療終了後の口腔内写真です。
全ての歯でなく、4本のみの審美歯科治療でも十分に見た目の改善は可能です。実際に見える口元の写真です。
セラミック歯のトーンをあえて少し暗めにすることで、違和感なく馴染んでいます。