インプラント治療の資料(小冊子)あり
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切らない縫わないフラップレスインプラント

当院では、メスを使って切ることがなく縫う必要もないインプラント治療「フラップレスインプラント」を行っています。

切らない縫わないインプラント手術「フラップレスインプラント」とは

「フラップレスインプラント」は、3Dデータ上においてコンピュターシミュレーションを行う事で、理想的な位置にインプラントを埋め込む事ができる手術です。
従来のインプラント治療で行なっている、「切って開く」「術後の縫合」がフラップレスインプラントでは不要になります。

フラップレスインプラントのメリット

フラップレスインプラントは従来のインプラント手術とは異なり、歯茎を切ったり・歯茎を開いたり・歯茎を縫ったりしません。
その結果、痛み・出血・腫れを最小限にできます。
また、処置内容が少ないので、手術時間も短くて済みます。

フラップレスインプラントのデメリット

前もってのCT撮影により綿密なCTシミュレーションが必要とされるため、別途費用が発生する可能性があります。
CTシミュレーションと実際の口腔内の状態にズレが生じていることも稀にあります。
そのような場合は、通常の処置方法に切り替えます。
また、深さと角度のコントロールが非常に難しいため、高度な技術と豊富な経験が求められます。

フラップレスインプラントの適応

切らない縫わないインプラント治療(フラップレスインプラント)を行うには、十分な骨と歯茎(歯肉)があることが条件となります。

残念ながら、日本人はもともと顎骨量が少ない上に歯茎も薄い方が大半です。
加えて、かなり歯周病が進行してから、抜歯を決意される方が多い現状もあり、骨と歯茎(歯肉)両方のボリュームがないケースが大半です。
欧米のように、骨がある程度あるうちに抜歯を決意して頂ければ、日本でもフラップレスインプラントが主流になっていくと思われます。

フラップレスインプラントの成功ポイント

切らない縫わないインプラント治療(フラップレスインプラント)を成功させるためのポイントは、

  • サージカルガイド(ステント)を過信しないこと
  • オペ途中でCT撮影を行うこと

この2点となります。
サージガルガイド(ステント)と呼ばれる、CTシミュレーションを原型としたインプラントの埋入位置をオペに反映するためのテンプレート(歯型)があります。
サージカルガイド(ステント)を使用さえすれば、安心安全だと勘違いされがちですが、2ミリほどのズレが生じていることもあります。
当院では、オペスタート直後に直径2ミリのバーで6ミリほど歯茎と骨を削ってから、チタン製の細い棒を入れた状態でCT撮影を行います。
最初のシミュレーションでの想定ポジションとズレがないことをCT写真で確認してから、深い位置まで骨を削っていきます。

フラップレスインプラントに必要な費用

サージカルガイド(ステント)を使用しない場合は、追加費用は頂いていません。通常のインプラント治療の費用で可能です。

インプラント治療の価格例

サージカルガイド(ステント)を使用する場合は、80,000円の追加費用がかかります。
手術前の検査時にお気軽にご相談ください。

治療例 1

初診時口腔内写真。
下の奥歯へのインプラント治療をご希望でした。

CT写真でのシミュレーション。
充分な骨量があることが分かります。
また、歯茎のボリュームにも問題がなかったため、フラップレスインプラントの適応症例と判断しました。

部分麻酔をしてから、直径2ミリの細いバーで骨を削っていきます。

ピンを入れた状態でのCT写真。
下顎神経との距離も計測します。
(下顎神経の損傷は絶対に避けなくてはいけません。万が一、下顎神経を損傷してしまうと、唇の感覚麻痺が生じてしまいます。)

安全性を確認してから、直径2.5ミリのバーで骨を削っていきます。
直径3ミリ、直径3.5ミリ、直径4ミリと徐々に太いバーで骨を削り込んでいくことで、骨火傷が生じません。

最終径である直径4.5ミリのバーを使用して、インプラントを埋め込む穴が完成しました。

直径4.5ミリの穴が形成されました。

今回の症例では、直径4.5ミリ長さ10ミリのインプラント体を使用します。

低速回転でインプラントを埋め込んでいきます。

インプラントが定位置に埋め込まれました。

理想的な位置にインプラントが埋め込まれたことをCT写真で確認します。

インプラント体に仮蓋をセットして、オペ終了となります。
この時点で出血も止まりました。
処置時間は僅か15分のみ。(麻酔麻酔の時間は除く。)
切らない縫わないことは、処置時間の短縮にも繋がります。
術後の痛みもなく、患者様からは痛み止めを1回も使う必要がなかったと、喜んで頂けました。

2ヶ月後、インプラントの型取りをします。

スキャンボディと呼ばれる、光学印象用(カメラによる型取り)のパーツをセットします。
当院のインプラント治療は、すべてデジタル化されています。
従来の粘度のようなものを押し込まれることがないので、嘔吐反射がある方でも辛い思いをすることがありません。

オペ日から2ヶ月半後、適合性に優れた上部構造(セラミック歯)がセットされました。

見た目、機能性ともに、本物と同じクオリティの奥歯が再建されました。

横から見ても、とても自然な仕上がりです。
(左下の奥歯がインプラントです。)

治療例 2

初診時口腔内写真です。
金属製のブリッジの中が虫歯になってしまい、インプラント治療をご希望で来院されました。
真ん中の部分にインプラント、その両隣の歯にはセラミックを被せる治療計画を立てました。

初診時CT写真です。
充分な骨量と歯茎があるケースでしたので、「切らない縫わないフラップレスインプラント」による処置を選択しました。

手術前の口腔内写真。
セラミックを被せる予定の歯をあらかじめ削っておくことで、仮歯を入れやすい状態にしています。

直径2ミリのドリルで6ミリだけ歯茎と骨を削り込み、小さい穴を空けます。

直径2ミリの金属のピンを挿入して、位置関係をチェックします。

CT写真を撮影して、ピンの位置にずれがないことを確認します。

直径2.5ミリ→3ミリ→3.5ミリ→4ミリと徐々に大きいドリルで骨を削っていきます。

最終的には、直径4ミリ深さ14ミリまで削り込みます。

直径4ミリ長さ10ミリのインプラントを埋め込んでいきます。

インプラントが想定された位置に埋め込まれました。

CT写真でも、インプラントの周囲には十分な骨があり、理想的な位置に埋め込まれていることが分かります。

インプラント本体に仮蓋をセットし、仮歯を作成して、3ヶ月待ちます。

3ヶ月後には、インプラントの上部構造を含む3本のセラミックが入りました。

横から見ても、とても自然な仕上がりです。

治療例 3

左下の奥歯を失った患者様の初診時口腔内写真です。
十分な骨量と歯茎があるケースでしたので、「切らない縫わないインプラント治療」を行うことになりました。

直径4ミリ弱の小さい穴を空けます。

直径2ミリのバーで6ミリほど掘ってから、金属の棒を入れてCT撮影を行いました。
神経・血管との距離が取れていること、方向性にズレがないことを確認します。
この後は、想定した最終的な太さと長さのバーまで骨を削っていきます。

直径4.5ミリ長さ8ミリのインプラントを埋め込みました。
理想的な位置にインプラントが埋め込まれていることが、分かって頂けると思います。

インプラントの上に、仮歯用の土台を装着しました。

即日で仮歯を入れて、オペ直後からご飯を左側でも食べれるようにしました。

オペ日から3ヶ月後にセラミック歯が入り治療終了となります。